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アルファ・ロメオは、商工業が集中する北部(ノルド)

1971年、アルファ・ロメオは、商工業が集中する北部(ノルド)に比べ、農業中心で貧しかった南部(スッド)の雇用創出と経済格差是正という国策に従ってナポリのポリミアーノ・ダルコに進出、同社初の量産FF(フロントエンジン・フロントドライブ)小型大衆車、アルファスッドをデビューさせた。アルファスッドは廉価モデルでありながらボディ・デザインを「ジュリア」で功績のあったジョルジェット・ジウジアーロに託し、スペース効率を上げるために新開発の水平対向エンジンを採用するなど大変意欲的な車で、技術的にも性能面でもアルファの名に恥じないものだった。フロントのオーバーハングにエンジンを低くマウントし、異例にキャパシティの大きいサスペンションを得ることで、後輪駆動のジュリアシリーズ以上のコーナリング性能を手に入れたのである。

1966年に日本で発売された スバル・1000 と非常に近似したメカニズムレイアウトを指摘されることがあり、事実、当時のメディアでアルファロメオのジャンクヤードに積み重ねられたスバル・1000の残骸の写真を確認することができ、1968年のスバル・1000のヨーロッパへの輸出開始時期と併せて考えても、開発の参考とした可能性は高い。

ただし、自動車雑誌スーパーCGNo.29に掲載されているアルファスッドの開発責任者だったルドルフ・ルスカへのインタビュー記事の中で、同氏はアルファスッド以前の同じレイアウトの車の車名をいくつか挙げ、アルファスッドの設計がそれらに「影響されたわけではない」と主張している。

市場に大いなる賞賛を以って迎えられたアルファスッドであったが、労働争議による国内での鉄鋼生産量の著しい減退を補うためにソ連から輸入された鋼板がベルギーやフランスのものより品質が劣っていたこと、工場の建設が計画通りに進まず、その鋼板を数ヶ月も露天に放置していたこと、さらに南部労働力の質的問題による防錆処理の不徹底などから、初期のアルファスッドは「芯から錆びる」クルマとなり、低品質車のレッテルを貼られ、結果としてアルファ・ロメオ全体のイメージを失墜させてしまうこととなった。日本のある自動車ジャーナリストが購入したところ、水の残りやすいHゴムの周囲から錆び始め、フロントウインドシールドが落下するに至ったため、抗議の手紙を送ったところ、「そんなはずはない」という旨の返事が来た[要出典]のは、知る人ぞ知るエピソードである。会社の歴史を振り返ると、独立企業としてのアルファ・ロメオに実質的な止めを刺したと言ってもよい。1983年に登場した後継車の33では、品質の問題はかなり改善されたが、アルファスッドの件が影を落とし、国外でのセールスが伸び悩んだ。なお、このナポリ進出以降、エンブレムの「ALFA-ROMEO MILANO」から、「MILANO」の文字がはずされている。

1972年、ミラノのアルファ・ロメオから、大成功を収めた「ジュリア」の後継となる新型ファミリーセダンがデビューする。それはアルフェッタと名付けられた。かつてF1GPで活躍した「Tipo158 / 159」の愛称「アルフェッタ」を引き継いだこの車は、GPカー譲りの高度なメカニズムを持っていたのである。高性能DOHCエンジン、対地キャンバー変化の少ないド・ディオンタイプのリアサスペンション、バネ下重量軽減に効果のあるインボードタイプのリア・ディスクブレーキやフロントスプリングをトーションバーとし、車両の前後重量配分を最適化するためトランスミッションをリアデフと一体化したトランスアクスルタイプのドライブトレーンなど、これらは何れも車の運動性能と走行性能を高めるための仕掛けで、これらがスポーツカーならいざ知らず、ごくごく普通のファミリーセダンに採用された点がアルファの面目躍如と言え、そろばん勘定がなっていないとも言える。

しかしながら、設計の古いエンジンの性能を落とすことによる排出ガス規制への対応、意欲の低い生産現場にそぐわない高度でコスト高の設計、当時の世界的な水準から大きく劣った品質は、財務体質を改善するに至らず、さらにアルファの凋落を進めたとも言える。このシリーズの設計を活かして各種競技に使われたが、やはり機械的信頼性の低さから、ラリーではトラブルによるリタイヤで終わった。

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2009年01月12日 11:18に投稿されたエントリーのページです。

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