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ミラージュF1の三機種までに絞られた

1968年 (昭和43年) 7月の第二次調査結果までにF-4E、CL-1010-2、ミラージュF1の三機種までに絞られた。CL-1010-2は実機が存在しないこと、ミラージュF1は導入経験のない欧州機だったことから、F-4Eの導入が最有力とされ、航空自衛隊の現場からも「F-4しかない」との声も挙がっていたという。同年11月、F-4E導入を決定し、翌年の1969年 (昭和44年) 1月10日の国防会議でF-4E (104機) の導入を正式決定し閣議了承を受けた。この時点でのF-4EJ一機当たりの価格は、20億円だった。

導入計画
当初の計画ではF-4EJ四個飛行隊分 (104機) の編成を予定したが、さらに23機を追加し五個飛行隊を編成することとなった。導入機の最初の2機はマクドネル社セントルイス工場製の輸入、続く8機分は部品で輸入し三菱重工業でのノックダウン生産、それ以降を同社によるライセンス生産と決定した。
スチック プロパ セッター スロープ サブセ ソンソ キラウエ くるくる デイユース ニクロム ルーガル ドードー トリコロ マリン ハイチ キュー ナビユー ワンダラー カバレ ファイト さやえん カスミソウ グラフ ラードツ リング シンプル パイロー サイン ワーク ワイヤ スペルラ ファイラー スペアイト ナビドウ クトリン スープ ドット スイート 弥生姫 クレド タフネス ダーク フレーバ アッラー フロー リキッド クチュリ フォア ザンス ファイブ

しかし、1967年 (昭和42年) の国会で社会党や日本共産党などの野党の追及を受けた防衛庁長官の「周辺国の脅威になる爆撃機能 (対地攻撃能力) を持たせない」との答弁を受けて

核兵器制御装置 DCU-9/A
爆撃コンピュータ ASQ-91
空対地ミサイル・ブルパップ制御装置 ARW-77
空中給油装置
を省略した機体をF-4EJとして最終的に140機を配備した。なお対地攻撃能力はF-4EJ改への改修の際に追加されている。

機体の旧式化による性能向上が必要となったため90機をF-4EJ改に改修し一部の機体を支援戦闘機として運用している。また偵察機としてRF-4EとF-15配備で余剰となったF-4EJを偵察機に改造したRF-4EJも運用している。全世界通算での最終号機は第5航空団第301飛行隊所属の「17-8440」である。

航空自衛隊の他に海上自衛隊も第四次防衛力整備計画 (四次防) に於いて「高速哨戒機」の名目で米海軍からの提供が可能とされたF-4Jの導入を計画していたが、オイルショックによる四次防縮小の影響を受けて見送られた。

後継機
F-4EJ改の後継となる次期主力戦闘機 (F-X) の選定が防衛省にて行われており、2008年 (平成20年) 度に機種決定がなされる。候補はF-15FX、ユーロファイター タイフーン、F/A-18E/F、F-22、F-35だが、最有力候補とされるF-22がアメリカの最新鋭技術の国外流出への懸念からアメリカ議会で禁輸措置を受けているため防衛省ではF-22導入に向けF-X選定スケジュールを2009年 (平成21年) 度以降に延長している。このためF-4EJ改の運用スケジュールを耐用年数見直しの上で変更する可能性もあるとされる。

支援戦闘機型はF-2の配備を受けて2008年度末までに退役する。偵察機RF-4は偵察部隊の縮小を受けて、F-X配備後に余剰となったF-15の改修機によりRF-4Eのみ代替する。

機体
航空自衛隊では、現在までに4種類のF-4を運用している。

F-4EJ
F-4Eから対地攻撃能力や空中給油能力を除去し、スクランブル発進時の加速力を重視して他国のF-4Eの持つ空戦用スラットを省略した機体。1971年 (昭和46年) 7月25日に2機 (1・2号機) を完成輸入し、続く11機 (3?13号機) を三菱重工業でノックダウン生産、127機 (14?140号機) をライセンス生産により国産とした。1981年 (昭和56年) 5月20日に最終140号機 (#440) を納入している。
1972年 (昭和47年) 8月1日臨時第301飛行隊を編成。4号機墜落事故 (73年5月1日) による2ヵ月半の飛行停止措置を経て1973年 (昭和48年) 10月16日に同隊は臨時が取れ正式発足。その後1981年 (昭和56年) までに302から306SQまでの計6個飛行隊が編成された。1975年 (昭和50年) 11月1日より302SQに対領空侵犯措置任務が付与されアラート待機を開始した。
国産機中90機を戦力向上と寿命延長を目的としてF-4EJ改に改装し、F-15導入で余剰となった初期導入の15機は偵察機RF-4EJに改装している。改修対象外の機体は各飛行隊で標的曳航などの訓練支援や運用試験に用いられてきたが次第に運用の幅は狭まり、1999年 (平成11年) に12機を小牧基地の簡易格納庫に保管することとなった。RF-4EJを含めて退役が進んでおり2007年現在、可動状況にあるF-4EJは飛行開発実験団の1機のみとなっている。
F-4EJ改

離陸するF-4EJ改
三沢基地 (2002年)F-4EJ国産機の機体寿命延長と能力向上を目的とした改修を行った機体。1980年 (昭和55年) からF-4EJの延命・能力向上研究を開始し1981年 (昭和56年) 度に改修設計作業を開始した。1982年 (昭和57年) 2月20日に航空機構造保全プログラム (ASIP) によって改修が可能であると判断し、昭和57年度に07-8431号機を三菱重工へ引き渡し改装、1984年 (昭和59年) 7月17日に初飛行、12月13日に航空自衛隊へ引き渡された。
改修は下記の通り、アビオニクス類を中心としている。
セントラルコンピュータとしてJ/AYK-1搭載による、兵装システムの統合と空対艦ミサイルASM-1/2運用能力の獲得。無誘導爆弾による対地攻撃能力の付与
APQ-120レーダーをAPG-66J(F-16A/Bで使用のAPG-66改造型)に換装し、目標探知距離を80nmまで延伸した上、ルックダウン・シュートダウン能力 (下方低空の目標を探知・攻撃する能力) を改善
F-15J用の誘導指令装置を追加し、APG-66J搭載のみでは失うAIM-7空対空ミサイルの運用能力を維持
レーダー警戒装置 (RWR) をJ/APR-6に更新
AN/ASR-63 アナログ式慣性航法装置をデジタル式のJ/ASN-4に更新。誤差を1/3に改善
IFF質問装置AN/APX-76Aを搭載
AN/ASC-26 光学照準機をカイザー社製ヘッド・アップ・ディスプレイ (HUD) に変更
レーダーディスプレイはJ/AVQ-3
AN/ALQ-131 電子戦装置搭載能力の追加
HOTASの搭載
なお、改修時に放置した配線が原因となりM61A1 ガトリング砲を誤射する事故が発生したため後に対策が施された。
F-4EJとの外見的な差異は胴体の上に付いているアンテナがVHF/UHF無線機用に大型化され、両主翼端や垂直尾翼上端に新型RWRのアンテナが付き、コクピットの照準装置がHUDに変わった等が挙げられる。
1987年 (昭和62年) 度予算で量産改修が認められ、1989年 (平成元年) に量産改修1号機が小松基地第306飛行隊に配備、1993年までに第301・302飛行隊がF-4EJ改に改編と続き国産機のうち90機が改修配備された。なお1997年 (平成9年) のF-1支援戦闘機の減数を受け、小松基地の第306飛行隊をF-15J/DJに改編して捻出した機体を支援戦闘機 (F-2配備までの繋ぎ) として三沢基地第3航空団第8飛行隊に配備した[22] 。
RF-4E

千歳基地航空祭で展示されたRF-4E
機首部分にシャークマウスが施されている
左奥には洋上迷彩が施された第8飛行隊所属のF-4EJ改の姿も確認できる (2006年)
航空自衛隊のRF-4EJアメリカの開発した輸出用の偵察機。RF-86Fの後継機導入計画の立案段階では三菱製のF-4EJにマクドネル・ダグラス製の偵察型機首を取り付けることが検討されていたが全機完成機を輸入することになり1974年 (昭和49年) 12月3日から1975年 (昭和50年) 6月8日にかけて14機を導入した。全機が百里基地偵察航空隊第501飛行隊に配備。一部搭載機器をF-4EJ改と同じ物に替えたために非公式には「RF-4E改」とも呼ばれている。2機が事故で失われ、現在12機を保有。
RF-4EJ
事故で12機となったRF-4偵察戦力の増強のため、近代化改修の行われない初期型F-4EJを長距離撮影用ポッドが運用できるように改修した機体。1990年 (平成2年) に改造が始まり、試改修1号機 (87-6406) は1992年 (平成4年) 2月4日に初飛行した。量産改修は1991年 (平成3年) から1993年 (平成5年) にかけて行い、計15機を百里基地第501偵察航空隊が運用している。当初17機を改修する計画だったが15機時点での予算計上中断のまま実質終了となった。RF-4EJでは偵察機器ポッドを運用するため機首のM61A1機関砲を維持している点がRF-4Eとの顕著な差となっている。
15機のうち、2号機から8号機は長距離斜め写真 (LOROP) 撮影用ポッド運用能力しか持たない限定改修型、1号機と9?15号機はLOROPに加えて戦術電子偵察 (TACER) 及び戦術偵察 (TAC) ポッドの運用能力とF-4EJ改規格のレーダー警戒装置を追加したため量産改修型と呼ばれたが、後に限定改修型も3種類のポッドが運用できるように再改修された。
最近になって一部の機体が寿命を迎えたことから退役が始まった。
配備部隊
F-4EJ
第7航空団 - 第301飛行隊 (後に第5航空団に移管し、EJ改に更改) ・第305飛行隊 (F-15に更改)
第2航空団 - 第302飛行隊 (後に南西航空混成団第83航空隊に移管し、EJ改に更改)
第6航空団 - 第303飛行隊 (F-15に更改) ・第306飛行隊 (EJ改、後にF-15に更改)
第8航空団 - 第304飛行隊 (F-15に更改)
実験航空隊 (航空実験団を経て現在の飛行開発実験団、2008年現在唯一稼動するF-4EJを運用)
第1術科学校
F-4EJ改

展示されるF-4EJ改 (2008年)三沢基地:第3航空団 - 第8飛行隊 (F-2に更新中)
百里基地:第7航空団 - 第302飛行隊
新田原基地:第5航空団 - 第301飛行隊
小松基地:第6航空団 - 第306飛行隊 (第8航空団に移管し、F-15に更改)
岐阜基地:飛行開発実験団
浜松基地:第1術科学校
RF-4E/EJ
百里基地:偵察航空隊 - 第501飛行隊
誤射事故
2001年6月25日、北海道の島松射撃場上空で、対地攻撃訓練中の第83航空隊第302飛行隊所属のF-4EJ改が、ロケット弾を用いた実弾射撃訓練後に右旋回したところM61A1機関砲を不意に発砲した。約2秒間に渡って弾倉内の訓練弾188発が発射され[23]、弾丸は射撃場外に飛翔して演習地北方に位置する北広島市冨ヶ岡の北広島リハビリセンターの敷地内に着弾、施設や駐車車両に損害を与えた。
その後の調査で、EJからEJ改への改修の際に撤去されずにいた不要配線が外装板の取り付け作業のドリルによる穿孔で損傷、それがロケット弾用の配線と接触して通電したのが原因と判明した。

仕様 (F-4E)
出典: The Great Book of Fighters[24], Quest for Performance[25], Encyclopedia of USAF Aircraft[1].

諸元
乗員: 2名
全長: 19.20 m (63 ft 0 in)
全高: 5.02 m (16 ft 6 in)
翼幅: 11.71 m (38 ft 4.5 in)
翼面積: 49.2 m2 (530.0 ft2)
翼型: NACA エアフォイル 0006.4-64 ルーフ, NACA 0003-64 チップ
空虚重量: 13,757 kg (30,328 lb)
運用時重量: 18,825 kg (41,500 lb)
最大離陸重量: 28,030 kg (61,795 lb)
動力:
ドライ推力: 52.53 kN (11,808 lbf) ×
アフターバーナー使用時推力: 79.62 kN (17,898 lbf) ×
最大着陸重量: 16,706 kg (36,831 lb)
零揚抗力係数 (Zero-lift drag coefficient) : 0.0224
抗力面積: 1.10 m2 (11.87 ft2)
アスペクト比: 2.77 (翼面)
燃料容量
内部:1,994USガロン (7,549 L)
外部タンク (最大3個) :3,335USガロン (12,627 L)
性能
最大速度: マッハ 2.23 (2,370 km/h , 1,472 mph) 高度 12,190 m (40,000 ft) 時
巡航速度: 585 mph, 940 km/h (506 knots)
戦闘行動半径: 422 mi, 680 km (367 nm)
フェリー飛行時航続距離: 1,615 mi, 2,600 km (1,403 海里) 外部タンク搭載時
実用上昇限度: 62,253 ft (18,975 m)
上昇率: 210 m/s (41,300 ft/min)
推力重量比: 0.86
揚抗比: 8.58
離陸滑走距離:1,370 m (4,490 ft) , 24,410 kg (53,814 lb) 時
着陸滑走距離:1,120 m (3,680 ft) , 16,706 kg (36,831 lb) 時
兵装類機外最大搭載量:7,258 kg
武装
固定兵装:M61A1 バルカン 20mm ガトリング砲 ×1 (弾数639発)
搭載兵装
胴体下ステーション:AIM-7 スパロー ×4
主翼下パイロン (空対空ミサイル用ステーション) :AIM-9 サイドワインダー ×4
胴体中心線下/主翼下パイロン (主翼下は空対空ミサイル用ステーション以外) :核爆弾、無誘導爆弾、クラスター爆弾、テレビ/レーザー誘導爆弾、空対地ミサイル、空対艦ミサイル、対滑走路兵器、ロケット弾ポッド、ターゲッティングポッド、偵察ポッド、2271L増槽、1400L増槽等
アップグレード機
ドイツのF-4F ICEはAIM-120 AMRAAM、ギリシャのF-4Eはそれに加えてIRIS-T、F-4EJ改 (日本) はAAM-3 90式空対空誘導弾・ASM-1 80式空対艦誘導弾・ASM-2 93式空対艦誘導弾、イランのF-4はロシアや中国製のミサイルを搭載可能。

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2009年01月27日 16:14に投稿されたエントリーのページです。

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